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Facebookログインボタンを外したらコンバージョン率が3%アップしたという話

Eコマースを運営する上で、コンバージョン率はKPIの1つとなることが多い。それだけ、色々とA/Bテストが繰り返されている。

ノルウェーの化粧品メーカーのA/Bテストの結果が顕著で面白かったので少し触れることにする。
原文:Facebook Login Reduces Ecommerce Sales (Case Study)



実験はシンプルで、8000人のユーザーに対して、半数には①「Emailフォーム+Facebookログインボタン」を表示し、もう半数には②「Emailフォーム」のみを表示するというもの。以下が実際の表示。

①「Emailフォーム+Facebookログインボタン」
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②「Emailフォームのみ」
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Facebookログインボタンなしでコンバージョン率3%増加

結果はかなり顕著。FacebookログインボタンなしでEmailフォームのみの②の場合の方が、コンバージョン率が3%も高かったそうだ。これは、当サイトの1週間あたりの売上に換算すると、100万円にも及ぶという。もちろん、規模が大きくなるにつれて、その額も大きくなる。


ブランディングやセキュリティリスクという視点

で、この記事を読んで思い出したのが、メルマガの管理が簡単にできるサービス「MailChimp」ブログの以下の記事。
Social Login Buttons Aren’t Worth It

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この記事は、タイトルにある通り、ソーシャルログインボタン(ここでは、Facebookログインボタンとツイッターログインボタン)の有用性について問題提起している。

内容を簡単にまとめると、

  • ソーシャルログインボタンがあるとログイン失敗率は少しだけ減少する
  • でも、ブランディングやセキュリティリスクを考えると、その少しの改善は見合うのか?
  • 正解はないけれど、この記事が議論の発端になればいいな

みたいなことを言っている。つまり、MailChimp のデータでは、ソーシャルログインボタンによってコンバージョン率はやや上昇したが、ブランディングやセキュリティという別の点におけるパフォーマンスに疑問を呈しているわけだ。


自サイトでテストしてみることがスタート

1つ目のノルウェーの化粧品メーカーの例を取り上げている記事の最後でも言われているが、このデータはあくまでも1つの例に過ぎないとのこと。他社のデータに踊らされるなと筆者は締めくくっている。

というわけで、ソーシャルログインボタンの効用については、数字で定量的に測りつつ、ブランドなど定性的な面も見ていくといいのかなと思いました。

シリコンバレーで流行りの Growth Hacking 的な記事でした。


© 2018 Motoki Yoshida