AIとBIはいかに人間を変えるのか (NewsPicks Book)
- 作者: 波頭亮
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/02/28
- メディア: 単行本
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第二回のペア読書はこちらの本で実施してみました。
ペア読書については、前回の記事に詳しくまとめているのでこちらを見てみてください。
2人で同じ本を用意し、その場で30分間で読了し、本の内容についてディスカッションをする
簡単にいうと、こういうことですね。
では、本題に入っていきます。
概要
まえがきから抜粋すると下記の通り。
経営コンサルタント・波頭亮によるAI(人工知能)・BI(ベーシックインカム)論の決定版! 産業革命以来の社会変化に対応するために読むべき必読書。
【人類史上初、我々はついに「労働」から解放される。この歴史的大転換をどう生きるか! 】 すべての生産活動をAIが行い、生きていくためのお金はBIで賄われる。 働く必要ない世界はユートピアか、深い苦悩の始まりか―。
本書は「AIとBIは世の中をどう変えるのか」について分析し、予測し、メッセージを提起したものである。 単なる未来予想の一つの寓話になってしまわないように、まず簡潔に、しかし総括的にAIとBIについて紹介・解説して、それぞれが持つ現代社会を根底から覆してしまう可能性を分析した上で、AIが更に発達し、BIの導入が実現すると、世の中がどう変わっていくのかを明らかにしていく。 本書を手に取ってくださった方々が、AIとBIが社会にもたらすであろう変化とインパクトを知り、AIとBIによる豊かな社会と良き人生を実現するために少しでも参考になれば幸いである
章立てとしては、以下のようになっています。
- 第1章 AI…人工知能とは(AIとは…AIの発展の歴史;AIと人間)
- 第2章 ベーシック・インカム(BI)の仕組みと効力(BIの仕組みとメリット;BIの実現可能性;民主主義・資本主義とBI)
- 第3章 AI+BIの社会で人間はどう生きるのか(AIとBIが導く“新しいステージ”;AI+BIの社会で人間はどう生きるのか)
第1章については、基本的なAI(人工知能)のおさらい的な内容。普段からAI関連の書籍を読んでいる方は読み飛ばしてしまってもよいでしょう。
第2章は、本書の肝につながるベーシックインカムについて詳細に思考していくための章なのできちんと読みたいところ。ベーシックインカムって現実的にどうなの?財源どうするの?働かなくてもよくなると人って怠惰になってしまうのでは?といった様々な疑問に対して、的確な回答をしてくれたという印象。
そして、第3章は仕上げです。AIだけではディストピアに陥る未来が見えている。ただ、AIとBIをうまく組み合わせることでよりよい社会を築けるかもしれない。という内容です。
第3章の最後には、未来に対する懸念についても吐露されており、たしかになと考えさせられました。
思ったこと
ややネタバレですが、本書の最後で筆者は「AIが労働を肩代わりしてくれる社会で、人間はどう生きたらいいのか?」という問いをぶつけていました。
ここは本当に深いですね。「労働」というのはネガティブな印象があるかもしれませんが、誰もが社会的な行動に参加できる仕組みを用意してくれていたという点において、それはそれで大きな社会的価値だったのだと気付かされました。
定年退職をしていきなり時間ができたときに呆然としてしまうという話を聞くこともありますが、それと同じことが若いうちにもできたらどうなるのでしょうか?
そんなことを考えながら、この本を読み進めていくとさらにおもしろく読めると思います。哲学的な話にもなってくる内容です。
AIとBIの未来、シンギュラリティ後の世界がどうなるのか、気になる方にはおすすめです。
AIとBIはいかに人間を変えるのか (NewsPicks Book)
- 作者: 波頭亮
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/02/28
- メディア: 単行本
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また、余談ですが、こちらの書籍、幻冬舎の箕輪さんという方が編集されています。ご存知の方も多いかもしれませんが、『お金2.0』や『多動力』等、2017年〜2018年に掛けて話題になっている本を編集者という立場から仕上げ、時代の寵児とも言える方です。
箕輪さん編集の本はどれも未来について考えさせてくれる内容で面白いです。こうして編集者を軸に本を見ること自体が自分にとっては初めての体験。初めての体験を創ってくれた箕輪には頭が上がりません。
この本とか特にオススメです。
お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)
- 作者: 佐藤航陽
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 単行本
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次に読むならこの本
- 作者: 井上智洋
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/07/21
- メディア: 新書
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BI(ベーシックインカム)なきAI(人工知能)はディストピアをもたらします。しかしBIのあるAIはユートピアをもたらすことでしょう
という一文に集約されていると言えるかもしれません。
隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働
- 作者: ルトガーブレグマン,野中香方子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2017/05/25
- メディア: 単行本
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これはまだ読めていないのですが、友人が紹介してくれました。概要は以下の通り。
オランダの29歳の新星ブレグマンが、「デ・コレスポンデント」という 広告を一切とらない先鋭的なウェブメディアで描いた 新しい時代への処方箋は、大きな共感を呼び、全世界に広がりつつある。
最大の問題は、人間がAIとロボットとの競争に負けつつあること。 その結果「中流」は崩壊し、貧富の差は有史上、もっとも広がる。 それに対する処方箋は、人々にただでお金を配ること、週の労働時間を15時間にすること、 そして国境線を開放することである。 それこそが、機械への『隷属なき道』となる。
具体的な処方箋が述べられている形でしょうか。気になるので読んでみようと思います。