昨日、ついに LINE も「ライブクイズ」への参入を発表しました。2018年に入り、Gunosy や 17 Live など、大手の参入が相次いでいるこの領域。
正直、日本ではまだまだ流行っているとはいえませんが、なぜこうも色々なサービスが手を出してきているのでしょうか?
というのを昨日チームで飲みながら話していて気になったので、ちょっと考えをまとめてみました。
なかなか面白かったので、続き見てみてください。
そもそも「ライブクイズ」とは?
ライブクイズとは、簡単にいうと、「スマートフォンでリアルタイムにクイズへ回答していき全問正解で賞金を獲得できる形式のライブ動画」です。
こちらのキャプチャが分かりやすいかなと思います。
MCがクイズを出し、3〜4つの選択肢から時間内(10秒が多い)に回答していく形式です。そして、全問正解すると、その回の全問正解者で賞金を山分けされるような仕組みです。
「毎日12時と20時」のように、どこのアプリも毎日決まった時間に開催しており、ユーザーの頭に植え付けようとしている意図が伺えます。
で、日本ではまだできてたばかりですが、アメリカでは大盛り上がりしているので、そちらの事例を見てみましょう。
米国成功事例「HQ Trivia」は何がすごいのか?
HQ Trivia は米国最大の「ライブクイズ」サービスです。先程のキャプチャもこちらのサービスより取りました。
どんな感じなのが雰囲気を知りたい人は下記の動画をみてみてください。
ビジネス的な話でいうと、HQ Trivia の運営元は2018年3月に1500万ドル(15.9億円ほど)の投資を受け、時価総額は100億円も超えてきていると言われています。
売上はほぼ上がっていない中ですが、1回のライブクイズで200万人を動員するなど、驚異的なアクティブユーザー数を誇ることから、このような評価がでてきていると言えるでしょう。
HQ Trivia と国内のライブクイズのどちらも見ていて気づいた点として、2点上げておきます。
MC の Scott Rogowski が上手すぎる
動画を見てみると一目瞭然なのですが、MC の Scott Rogowski の進行がめちゃくちゃ上手いです。人々を興奮させるような物の言い方はさすがコメディアンだなという感じです。
さらに、アプリのアニメーションもかなりのクオリティとなっており、このあたりは国内のサービスもこれから追随していくところなのかなと思いました。
HQ Trivia で全問正解することがちょっとした名誉になっている
これは実際どこまでかは分からないのですが、ネットで見ていると感じでいると、HQ Trivia で全問正解すること(=Winner)になることが Honor であるというような文化がユーザー間でできてきているのかなと感じました。
WOW.. I still can't believe I was one of the lucky #HQTrivia winners in tonight's $250,000 game!
— Mike Sharkey (@MikeSharkey_) 2018年3月29日
Dumping most of it into my #Crypto 🤪 I'm giving away $5,000 FOLLOW & RETWEET FOR A CHANCE TO WIN! #Giveaway #Win #Cryptocurrency #Bitcoin #BTC #blockchain #TRX #Altcoins #Airdrop pic.twitter.com/EWUkK01Jau
このツイートとか見ていても感じますね。
ユーザーがクイズに対して熱狂している様子が伺えます。ある記事によると、オフィスで人溜まりができていると思ったらみんなで HQ Trivia をやっていたといった話もあり、みんなで熱狂するエンターテイメントになっているわけですね。これは強い。
「ライブクイズ」って儲かるの?
HQ Trivia にここまでの時価総額が付くのなぜなのか?ということで、マネタイズの観点でも考えてみました。
マネタイズ手法としては、サービスとの整合性から考えるに、「スポンサードクイズ」の方向性になるかなと思います。簡単にいうと、クイズ自体が広告となっているものです。
たとえば、こんな感じでしょうか。
Q:2018年3月に公開され、大ヒット中の Pixar の新作映画のタイトルは? - A1:リメンバー・ミー - A2:リメンバー・ユー - A3:フォーゲット・ミー
このスポンサードクイズのすごいところは、ユーザーが回答するという能動的なアクションをとるため、参加ユーザーのうちのほぼ全てのユーザーの認知を獲得できるという点です。
これは、動画広告でいうと視聴完了レベルかそれ以上の効果はあるとして、視聴完了の単価が10円ほどだとしてみると、200万人のユーザーが参加している場合には「200万人×10円=2,000万円」の広告価値があるといえるでしょう。
これはもちろん単純計算なのですが、規模感としてはこのくらいのイメージなのかなと。
そうなってくると、日本のライブクイズサービスでも、ユーザー数が増えてきて数十万人規模になってきた段階で、1回あたり100万円ほどは少なくとも広告効果として担保できる形になってきそうです。
さらに、動画の視聴完了よりもスポンサードクイズのほうが寄与率が高いという数字結果も出れば、それだけ金額も上げていけそうです。これは賞金を考えても大きく伸ばせそうな予感がしてきますね。
マネタイズ以外でのいいところは?
マネタイズという視点以外でも、既存サービスとの相性がよければ相乗効果を狙うこともできそうです。
たとえば、グノシーさんはうまいのですが、クイズの中にニュースを見ていると分かる時事ネタを入れることによって、クイズ目的で入ってきた人にも、ニュースアプリとしての良さを体験してもらおうとしていたりします。
また、17 Live であれば、ライブ動画の配信者である「ライバー」と呼ばれる人たちが、ライブクイズの放送もしているので、ライブクイズをきっかけにライブ配信のほうに興味を持ってくれるユーザーもいることでしょう。そこでファンとなってくれれば、17 Live 側としては嬉しいわけです。
ちなみに、2018年11月9日をもって、17 Live のライブクイズ「17Q」は一旦休止になりました。その判断の根拠が気になるところですが、継続的な運用にもなかなか工数がかかるところなので、一旦休止して次の方針を考えるというのは懸命かと思いました。
まとめ
ということで、ここ数ヶ月で一気に「ライブクイズ」のサービスが出てきていたので、ちょこっと考察してみました。
最近感じるのは、日本の上場企業でも動き出しがめちゃくちゃ早くなっているということ。HQ Trivia の動きももっと早めにキャッチしておかねばなと反省でした。海外の流行りは定期的に頭に入れていこうと思います。
ちょっと深ぼってみました。この領域も面白い!
— 吉田 基紀 / motoki yoshida (@motokiyoshida) 2018年3月31日
なぜ「ライブクイズ」が乱立しているのか?米国「HQ Trivia」の事例から考えてみた - motolog https://t.co/2qGJpKBsxg