ホリエモンこと堀江貴文さんの新著がなかなか面白かったので、メモがてら簡単に内容に触れていきます。
- 作者: 堀江貴文,大石哲之
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2018/06/30
- メディア: 単行本
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堀江さんの本は同じ内容を再編集しているだけだという人もいるようですが、その意見については、そもそも時代に併せて再編集することは価値があることだし、さらに本書は今までの書籍とは大きく異なる内容になっているという2つの断りを先にしておきます。
昨年、メタップスの佐藤航陽さんの『お金2.0』が20万部超えの大ヒットを記録しましたが、本書はホリエモン版『お金2.0』とも呼ぶべき良書でした。
お金とは何か?
仮想通貨という存在は、これまでお金というものを絶対視して、お金に縛られていた多くの一般の人たちに、"気づき"もしくは"気づきの芽"みたいなものを、もたらす可能性があると思う。
それは、お金というものの本質についてだ。
お金というのは、人の共同幻想の産物なのだ。
お金の本質について、堀江さんは以前から上記のような発言をされていましたが、たしかに仮想通貨によってその考え方がより多くの方にも理解できるようになったといえるでしょう。
今の日本円にしても、既に金との互換性はなくなっており、日本銀行が保証しているだけ。「日本銀行が保証しているから大丈夫」という共同幻想ともいえます。日本銀行よりも、世界中の色々な人が支持しており、プロトコルが明示されているビットコインのほうが信頼できそうという意見もそう見当違いには聞こえないでしょう。
日本円がすぐになくなることや価値が小さくなることはないでしょうが、それと米ドルを並列で見るように、暗号通貨を同じ土俵で考えていけるような柔らかいアタマはそう遠くない将来必要になっていくのではないでしょうか。
ハードフォークと金融政策
こうした各陣営の思惑までも(本心まではわからないが)明らかにされている点は、密室で政策金利などが決まっていく従来の金融政策よりも、健全に見えてしまうのだ。
これはたしかにそうだなと思った一文です。
文脈を紹介すると、ビットコインは、スケーラビリティ問題をどう解決していくかという議論の中で、「1ブロックあたりの容量を大きくしようという派閥」と「ブロックに入れる要素を省略しようという派閥」に分かれ、その両陣営で多くの議論がなされた後に、前者はビットコインキャッシュとしてハードフォーク(分岐し)、後者が今のビットコインとして残る形になりました。
そのような両陣営の議論がオープンになされている様と、政策金利を密室で決めていく従来の金融政策との比較をしているわけです。
たしかに、日本も民主主義で投票によって選ばれた国会議員が関与しているにせよ、透明性という観点では大きな違いがあるでしょう。ここについては、どちらがよいというわけではなく、好みの問題かもしれません。僕は透明性のある議論の中で方針が決まっていくものののほうが信頼できるなって思います。
まとめ
「お金」を再考する時が来ています。
日本円を信じるもよし、ビットコインを信じるもよし、そこも01の議論ではなく、自らの資産を分散させるのもよし。さらには、お金というものにせずとも、自らが資産としていつでもお金に変換できるものを持っていればよしともいえるでしょう。
堀江さんは10年、20年先を見ている方なので、未来について考える上でとても示唆に富んでいる本でした。お金について改めて考えて見たい方、仮想通貨について知りたいかたに、おすすめです。
- 作者: 堀江貴文,大石哲之
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2018/06/30
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