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なぜ Siri はイケていないのか?Google Assistant と Alexa に追いつけない理由

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Mashable に面白い記事があったので紹介します。「なぜ Siri がこうもダメなのか?」という内容です。

Apple は、2010年に Siri の元となるアプリを買収し、2011年には他社に先んじて iPhone 4S に Siri を組み込むなど、音声アシスタント市場をリードしていました。

しかし、いつの間にか Google Assistant や Amazon の Alexa に後塵を拝する構造になっていると。

こちらの記事では、その原因について、様々な理由が述べられています。それぞれ説に過ぎませんが、どれも他人事ではない反面教師な事例なので、見ておく価値はありそうです。

mashable.com

以下では、その理由について、簡単に触れていきます。

アプデが年1回しかなかった

記事によると、Siri のアップデートは、iOSのメジャーアップデートに合わせて年に1回だったとのこと。これは、Google や Amazon と比較して、非常に見るからに遅い。どんどん進化していくべきはずなのに、年1回のアップデートでは良いモノはできないだろうという理由です。

これについて、元 iOS チーフのスコット氏は、「違うんだ!俺が悪いのではない。元々の Siri のチームが悪いんだ。深刻なバグばかりでそれどころじゃなかったんだ!(筆者意訳)」と反論をしています。

真実は分かりませんが、元メンバーがこのようなことを言っている時点で、チームが上手くは行っていなかったことが伺えます。ここからは想像ですが、おそらく、旧メンバーと新メンバーの間で確執があり、知識の共有も十分になされない中、非効率でストレスフルな環境になっていたのではないでしょうか。

ということで、これが想定要因の1つ目です。

買収して得た技術を導入していった

Siri では、いくつか買収を行いそこの企業が保有する技術を導入していったのですが、そこも上手くいっていなかったとのこと。

具体的には、2013年に買収した Topsy の技術を検索機能に統合したり、2015年に買収した VocallQ の技術を自然言語の機能に統合しました。

ただ、Topsy 側の人間としては、Siri のチームと働きたいとは思わなかったそうです。なぜかというと、Siri が初期のインフラから抜け出せずておらず、簡単にいうと、レガシーでイケていなかったから。

想像ですが、Topsy は技術に尖ったスタートアップで、モダンなテクノロジーを使ってイケているサービスを作っていたのでしょう。そこがいきなり、Siri という2010年の頃のコードが残っているレガシーなプロダクトの開発をしなければならなくなり、テンションが下がったという話かなと思います。

そう考えると、1点目に続いて、2点目も組織的な課題と言えそうですね。

Siri を HomePod に組み込みプランがなかった

Siri は、Amazon Echo のローンチまで、HomePod に組み込まれるプランがなかったようです。これは現場に伝わっていなかっただけの可能性もありますが、、どうなのでしょうか。

記事によると、元々 HomePod は Siri の機能はなしのスピーカーとしてリリースする予定だったようです。

もしこれが本当だとしたら、先見性という点で、Google や Amazon に負けていたとも言えるでしょう。

思ったこと

「Apple のプロダクト is 最高」と思いがちなここ日本ですが、「Siri とかイケてないわ」と言い捨てる人たちもいるのだなと新鮮でした。

1点目と2点目は、いずれも旧メンバーと新メンバーの連携という組織的な課題に根ざしている課題と捉えることができ、企業買収の闇の部分を見た気がします。

一方で、Apple、Facebook、Google などはそれこそ年に数十社というレベルで買収を繰り返しています。買収した企業の技術をどのようにすれば上手く取り込むことができるのか、どのようにすればスムーズにチームに馴染んでいけるのか、そのあたりの成功事例についても知りたいなと思いました。

© 2018 Motoki Yoshida