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『メモの魔力』は知的生産のためのメモ術!抽象化と転用による自己アクション化がポイント

SHOWROOM 前田裕二さんの『メモの魔力』という本を読んでみた。「メモ」というとノウハウ本のように感じてしまうが、これは単なるノウハウ本ではなく、前田さんの日常的な思考法を描いた本であり、メモ以外にも応用可能な内容だった。

以下では、本書の内容について簡単に触れた上で、自分の考えについてもまとめていきたい。

メモの魔力

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

なぜメモをとるのか?

  • より本質的なことに少しでも多くの時間を割くため
    • クリエティブなころ
    • つまり、メモは記憶をさせる「第二の脳」である
      • 外付けハードディスクのようなもの

そもそも、なぜメモをとるのか?

その答えは、よりクリエイティブなところ(=本質的なところ)に時間を割くためである。単純な作業はAIに代替されていく現代においては、いかにクリエイティブなところに可処分時間及び可処分精神を充当できるかがポイント。

そこで、いわば「第二の脳」的な役割としてメモに記憶させる。外付けハードディスクのようなものだ。

メモには二種類ある

  • 1つ目
    • 記録のためのメモ
    • 機械にでもできる
  • 2つ目
    • 知的生産のためのメモ
    • こちらが本書で強調したいほう
    • 単純に起きたことやみききしたことだけを書き写すのではなく、あたらしいアイデアや付加価値を自ら生み出すことを強く意識

さて、そのようなメモにも大きく分けて二つの種類がある。

1つ目は、シンプルに記録のためのメモである。こちらは機械にでもできる、言ったことをそのまま移すようなメモだ。

2つ目は、知的生産のためのメモであり、こちらが本書で前田さんが強調していきたいものである。

単純に起きたことや見聞きしたことだけを書き写すのではなく、あたらしいアイデアや付加価値を自ら生み出すことを強く意識して書いていくものだ。

知的生産メモのポイント

  • 「ファクト→抽象化→転用」という一連の流れがエッセンス
    • インプットした「ファクト」をもとに
    • 気づきを応用可能な粒度に「抽象化」し
    • 自らのアクションに「転用」する

では、そのような2つ目の知的生産メモは具体的にどのようなやっていくべきなのだろうか?

基本的なエッセンスとしては「ファクト→抽象化→転用」という一連の流れとなる。 すなわち、インプットした「ファクト」をもとにして、気づきを応用可能な粒度に「抽象化」し、最後に自らのアクションに「転用」するというプロセスである。

ここが本書におけるポイントである。一般的なメモでは「ファクト」の段階でストップしてしまう場合が多く、結局それを元に自分が何をするべきなのかまでアクションに落ちていないため、ただの知識インプットにしかなっていない。

それに対して、そのようなインプットを一度抽象化し、さらにその抽象化された内容を自らの生活や仕事に適用して考えてみることによって、そのインプットの価値は何十倍にもなる。

抽象化の方法

  • 抽象化の3類型
    • What型
      • 現象を言語化する
      • 空から降る水の粒→雨
    • How型
      • 特徴を抽出する
      • 「ポケモン」→抽象化「相手に応じて攻撃方法を変える」→転用「就職試験の面接でも、面接官の特徴に応じて、話すエピソードを変えるべき
    • Why型
      • 抽象化して物事の本質を知る
      • 「カメラを止めるな!」→抽象化「落差、共感」→転用「キャンペーンに応用」
      • アーカイブ機能→抽象化「コミュニティ所属欲求、コミュニケーション・応援欲求」→転用「まとめサイト」
  • 知的創造においては、How型とWhy型、特にWhy型が大きな価値を生み出すことが多い
  • 抽象化とは、「具体的な事象の本質を考える」こと

ここで難しいのが、「抽象化」をいかにするべきかという点。

本書では、抽象化を3つの類型に分けて紹介してくれている。

1つ目が、What 型で、現象を言語化する型。「空から降る水の粒」を「水」と名付けるといったもの。

2つ目が、How 型で、ある物事から特徴を抽出する型。たとえば、ポケモンを抽象化して「相手に応じて攻撃方法を変える」という特徴を抽出するといったものだ。

そして、3つ目が、Why 型で、抽象化して物事の本質を知る型。たとえば、2018年に大ヒットとなった「カメラを止めるな!」という映画がなぜここまで流行ったのか思考をして、そこには「300万円の制作費なのに◯◯という落差、共感がある」といったようなものだ。

知的創造においては、How 型と Why 型、特に Why 型が大きな価値を生み出すことが多い。

ちなみに、抽象化についてはこちらの本も非常に分かりやすく理解の助けとなるのでおすすめだ。

具体と抽象―世界が変わって見える知性のしくみ

具体と抽象―世界が変わって見える知性のしくみ

思ったこと

さて、そのような内容を振り返って、自分で考えたことをまとめてみる。

本書は、『メモの魔力』というタイトルだが、その本質は「ファクト→抽象化→転用」に尽きる。それをやるための手法としてのメモであり、そのツールとしてのノートである。

たしかに、人の話が馬耳東風の如く自分にストックされず流れていってしまうことはよくあるため、まずファクトを書き留める習慣を作ることだけでも価値はある。ただ、その価値を何十倍にも引き上げるためには、本書の言葉でいう「知的生産のためのメモ」が必要となってくる。

具体的には、ファクトの情報から、抽象化を経て、さらに自分のアクションに転用していくプロセスだ。

以前の職場の上司が、「出来る人は抽象と具体の行き来が早いんだよなぁ。」とぼやいていたことがあったが、まさにこのことだと感じた。「ファクト→抽象化→転用」とは「具体→抽象→具体」と言い換えられ、他者の具体を自らの具体に活かす術というわけだ。

冒頭でも述べたように、抽象と具体、「メモ」という範疇を超えた非常に汎用的な思考プロセスの話。

年末年始の一冊として是非おすすめしたい。

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)

具体と抽象―世界が変わって見える知性のしくみ

具体と抽象―世界が変わって見える知性のしくみ

© 2018 Motoki Yoshida